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第 2 回 インターネット、電子メール, 表計算(1)

本日の内容


このドキュメントは http://edu.net.c.dendai.ac.jp/ 上で公開されています。

2-1. インターネット

歴史

インターネットは三人の異なる人が別々に考案したものです。 空軍が設置した軍事研究組織である RAND に勤めていたポール・バラ ンは、1962 年核戦争に耐えられるコンピュータシステムとして「サバイバルネットワー ク」を考案しました。これは核戦争で通信網の一部が破壊されたとき、破壊さ れた通信システムを迂回するようにして通信の中継を行うもので、当時の常識 を覆す、コンピュータによる通信制御を前提とするものでした。 イギリス国立物理学研究所のドナルド・ワッツ・デイヴィスは1965 年に高機 能なネットワークを実現するために「パケット通信」の仕組みを考案しました。 これも通信制御にコンピュータを用いる点で同一の仕組みでしたが、データを 特定の長さに区分して宛先の情報を付加したものをパケットと呼 ぶこととしたのはデイヴィスでした。 しかし、実際に実現できたのはアメリカ国防省ペンタゴンの中にある ARPA と いう組織の中の情報処理技術室でした。 3 代目の責任者のロバート・テイラーは 1966 年に情報処理技術室にある複数 のコンピュータの端末を統合するという目的でネットワークの接続を行うこと を考え、 ARPANET というネットワークを構想しました。 ARPANET を実現するには、やはりメッセージを断片化し宛先を付加したパケッ トを通信の単位とし、 IMP(Interface Message Processor 今で言うルータ) を用いてネットワーク同士を接続してパケットを制御する必要がありました。 そして、 IMP 自体はコンピュータを使用する必要がありました。 当時はコンピュータは非常に高価で、重要な計算のために利用されていました。 そのため、通信の制御にコンピュータを用いることに多くのコンピュータメー カが難色を示しました。そしてそのような高性能なコンピュータを使用したシ ステムでは非常に高額なものしか提案できませんでした。 そんな中、BBN(ボルト・ベラネク・ニューマン)という会社が、ハネウエル社 のミニコンを利用して IMP を実現させました。 こうして ARPANET は構築され、最初はカルフォルニア大学ロサンゼルス校、 カルフォルニア大学サンタバーバラ校、スタンフォード研究所、ユタ大学と結 ばれました。 その後、軍組織や大学などと次々と結ばれ巨大なインターネットへと拡大して いきました。

コンピュータの歴史に残る裏方 J.C.R. リックライダー

J.C.R. リックライダーはもともとは大学で音響心理学を学んでいました。そ のため、一時アメリカ空軍の早期警戒網でソナーの研究なども行いました。そ こでみたのがコンピュータでした。 当時のコンピュータは紙カードをセットしてボタンを押すとプリンタに結果が 印刷されると言うものでした。 その一方、空軍では遠隔地のソナーのデータをリアルタイムに処理してそれを 軍人が扱うシステムで、概念が全く違っていました。そのため、リックライダー はこの概念を拡張する研究に参加しました。 これが後に対話型コンピュータと呼ばれる概念になり、 OS である Multics が生まれることになります。 この Multics は UNIX を生み、パソコン用として CP/M が作られ、コピー商 品として MS-DOS が作られました。

リックライダーはその後、音響コンサルティング会社である BBN に入社しま した。そして、そこにコンピュータを導入してもらいコンピュータ部門を作り ました。そこには MIT などから優秀な学生が集まり研究所のような雰囲気に なりました。 ARPA ができた時、初代の情報処理技術室の室長に抜擢されました。 ここで、彼は各大学との協調を深め、大学の研究者との人的ネットワークを 「インターギャラクティックネットワーク」と名付けていました。 彼はまたコンピュータ同士はネットワークで接続すべきという信念を論文など で発表し、これにロバート・テイラーが共鳴してました。 リックライダーは ARPA を辞める時に二代目にアイヴァン・サザーランドを抜 擢しました。サザーランドは結局一年しかいませんでしたが、その後、ユタ大 に移りコンピュータグラフィック、ヴァーチャルリアリティなどを考案して行 きました。 サザーランドを師事した中にはアラン・ケイがいました。彼はユタ大から XEROX のパロアルト研究所に行き、そこで、パーソナルコンピュータを考案し、 パーソナルコンピュータの理想形である Dynabook やオブジェクト指向言語 Smalltalk などを発明しました。

ARPANET が軌道に乗り、これに大学間ネットワーク NSFNET などさまざま予算 に基づく internet が作られていきました。 そして ARPANET を停止しなければならなくなった時、はロバート・テイラー は当時 MIT で研究をしていたリックライダーに相談したところ、リック・ラ イダーはMIT を辞めて ARPA に戻り ARPANET を停止するための作業をすべて 行い、再び MIT に戻りました。

特徴

インターネットは 他のネットワークと比較して、次のような特徴があります。

  1. 規格書は RFC(Request For Comments) という名前で公開されて いる。
  2. コンピュータとコンピュータの通信を想定している。
  3. ネットワーク同士を接続することが設計に盛り込まれている
  4. ネットワークの媒体を特に問わない(伝書鳩でも可能?! → RFC1149)。 従って、ネットワーク技術が進歩しても存続可能。
  5. 途中の装置が故障した時、バックアップ回線に切替えるなど、ネットワー ク管理も自律的に行う。

構成

Internet は最初 ARPANET から始まりました。 これは、軍事研究を行う大学間を結ぶネットワークでした。 その後、アメリカの大学間ネットワーク NSFNET など同じ原理で違う予算体系 でできたネットワークと相互に接続していきました。

日本では慶応大学の村井純先生が東工大、東大などと UNIX のコンピュータを 電話回線で接続していた JUNET ができてましたが、その後のインターネット の原理(TCP/IP)を利用した相互接続の実験をした後、WIDE という広域実験ネッ トワークの組織を立ち上げました。 それとは別に東大は他の機関と協調して JAIN(文部省の FAX 網を流用した研 究ネットワーク、 TISN(東大理学部関係の国際ネットワーク)、 TRAIN(東京エ リアの大学間ネットワーク)などが立ち上がりました。 そして、 WIDE と NEC のネットワーク PC-VAN, 富士通系のネットワーク NIFTY が相互接続し、また、 WIDEから民間会社 IIJ が生まれました。 文部省も学術ネットワーク SINET を立ち上げました。 その後、 NTT もネットワーク部門として OCN を立ち上げ、日本中にインター ネットが普及していきました。

現在東京電機大学は WIDE、SINET、 IIJ と接続しています。

IP

インターネットの通信ではインターネットプロトコル(IP)が使用さ れます。 プロトコルとは通信のやり方の規定です。 現在広く使われているのは IP ver.4 です。現在徐々に使われ始めているのが IP ver.6 です。

IP ver.4 では各ホストやネットワークに対してIP アドレスと いうアドレスを割り当てます。 IP アドレスは 0 から 255 までの数の四つの組で表し、ネットワークアドレ スと、ホストアドレスの組になってます。 IP アドレスは各コンピュータでそれぞれ別々のアドレスがつかなければなり ません。そのため、 IP アドレスは世界的な組織で割り当ての調整が行われて います。 東京電機大学工学部のネットワークアドレスは 133.20 になります。東京電機 大学工学部のコンピュータはすべて 133.20.x.y という形式の IP アドレスが 割り当てられてます(プライベートアドレスという例外もあります)。

特定のコンピュータ名から IP アドレスを調べるには

nslookup コンピュータ名
を使います(Windows 2000, Windows XP だけ)。

インターネットではパケット通信という仕組みで、通信が行われま す。大きなデータもある決まった長さのデータに区切られ、それぞれバラバラ にして送られます。 バラバラにして送ることにより、他の通信と公平に通信が行われ、また、途中 で通信エラーが発生した時も、再送の量を減らすことができます。



通信を行う時、回線を占有すると他の通信ができない。

パケット通信では複数の接続を公平に行える。

一回の伝送量が大きいと途中のエラーですべてを再送することになる。

パケット通信では壊れたパケットだけを再送すれば良い。

インターネットでは、コンピュータによる管理を実現するための仕組みがいく つか用意されています。

ping コンピュータ名
は特定のコンピュータと通信が可能かどうかを、実際に パケットを送って検査するコマンドです。 これは同時にそのコンピュータまでの通信にかかる時間も測定できます。

インターネットは複数のネットワークを接続できます。 ネットワーク同士を接続する装置をルータとかゲートウェイ などと呼びます。 特定のコンピュータまで、どのようなルータを経由するかを調べるコマンドは

tracert コンピュータ名
です(UNIX 系ではtraceroute コンピュータ名)。

演習2-1

  1. ipconfig コマンドを使って自分のコンピュータに割り当てら れた IP アドレスを調べなさい。 (UNIX 系ではifconfig)
  2. www.dendai.ac.jp などのホストの IP アドレスを調べなさい(Windows 98SE, Windows Me では tracert
  3. www.dendai.ac.jp まで通信が可能かどうか調べなさい。 また通信がどれくらいの時間で可能かも調べなさい。
  4. www.dendai.ac.jp などのコンピュータまで、どんなルータを経由してい るか調べなさい。

2-2. WWW

仕組み

WWW の構想はすでに 50 年以上前からありましたが、インターネット上で動 いたのは 1989 年のことで、ヨーロッパの CERN(欧州素粒子物理学研究所) の Tim Berners-Lee 氏が開発しました。 目的はお互いの論文を共有できるシステムを作ることでした。 作られた WWW というシステムは、文書から他の文書へリンクを張ることがで きるというものでした。

その後、 1993 年にアメリカイリノイ大学の NCSA(National Center for Supercomputing Applications)にいた大学生 Mark Andreessen 氏は CERN で 作られた WWW に対して、画像も表示できる「Mosaic ブラウザ」を作り、爆発 的な流行が始まりました。

Mark Andreessen 氏は Sylicon Graphics 社元会長の Jim Clark 氏と共に Netscape 社を作り、「Netscape Navigator(Mozilla)」を発表しました。一方、 マイクロソフト社は Mosaic の権利を手に入れ Internet Explorer を Windows に組み込みました。

WWW は次の 3 つの技術により実現されてます。

  1. URI(Uniform Resource Identifier)により、世界中の情報を一 元化した方法により名前で指し示すことができる。特に WWW では URL(Uniform Resource Locator) とも言う。
  2. HTML(HyperText Markup Language)により、情報の構造を <○> と </○> で括ることで記述する、文書の記述のし方が決められ ている。
  3. HTTP(HyperText Transfer Protocol)により、文書の通信のし方が決めら れている。

HTTP では次のような単純な仕組みで情報をやりとりします。

  1. ブラウザはサーバに「GET 情報の所在地」というメッセージを送る。
  2. サーバは要求された情報を送り返す。

このような通信のやりとりの仕方のルールを「プロトコル」と言 います。

演習2-2

HTTP を実際に使って WWW サーバから情報をとりだそう。

  1. 次のコマンドを打ち、WWW サーバと接続する(80は HTTP のサー ビス番号)。
    telnet edu.net.c.dendai.ac.jp 80
    
    これにより相手に電話をかけたような状況になります。
  2. HTTP の GET コマンドを次のように打つ(大文字小文字に注意)。押した文 字が画面に表示されない場合もありますが、問題ありません。
    GET /index.html HTTP/1.0
    
  3. 「enter」キーを二回押すと http://edu.net.c.dendai.ac.jp/index.html の情報が HTML の形式で得られる。

2-3. 電子メール

仕組み

電子メールのやりとりは、 SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)というプロ トコルにより行われます。 SMTP により電子メールをやりとりするものを SMTP サーバと言います。

一方、一般のパソコン OS(特に Windows 系)は SMTP サーバを持ってないため、 電子メールのやりとりを行うことができません。 したがってパソコンからの電子メールの送信は、どこかの SMTP サーバに頼ん で転送してもらうのが一般的です。 また、電子メールの受信も同様に、どこかの SMTP サーバに電子メールを受け とってもらう必要があります。 そしてその SMTP サーバから受けとってもらった電子メールを SMTP とは別の 手段で受けとる必要があります。 そこで、受信してある電子メールを読み込むには POP3(Post Office Protocol version 3) というプロトコルが使用されます。 つまりパソコンは、送信では特定のサーバーへ SMTP によりメール送信を依頼 し、受信では SMTP サーバからメールを POP3 により転送してもらう必要があ ります。

電子メールの設定

マイクロソフトの製品などでは HTML メールを表示で きますが、これはウィルスに感染する可能性が高いです。 この授業ではウィルス対策として、 HTML メールを表示しない Almail を使用 します。Almail はシェアウェアですが、教育機関では無料で使用できます。

なお、従来から別のソフトウェアで電子メールのやりとりをしていて、他のソ フトウェアに移行が難しい人は、セキュリティ対策が万全である場合(つま り自己責任が十分にとれる場合)はAlmail を使用しなくて構いません。

電子メールの設定項目には次の項目があります。

ユーザ名
メールサーバを利用する際のユーザ名です。本学のメディアセンターを利 用する場合は学籍番号(英字は小文字使用)になります。
パスワード
メールサーバを利用する際のパスワードです。先日お配りしたパスワード になります。パスワードを記録できるメールソフトもありますが、セキュリティ の観点からは、記録せず毎回入力した方が良いでしょう。
メールアドレス
あなたのメールアドレスを記入します。例えば学籍番号が 05kc999 なら ばメールアドレスは
   05kc999@ed.cck.dendai.ac.jp
になります。
フルネーム
自分自身の名前を入れます。歴史的な経緯などから、日本語を入れない方 が良い場合があります。
POP3サーバ名
POP3サーバの名前を記入します。総合メディアセンターの POP3 サーバ名 は、
cckedpo.cck.dendai.ac.jp
になります。
SMTPサーバ名
SMTPサーバの名前を記入します。総合メディアセンターの SMTP サーバ名 は、
cckedpo.cck.dendai.ac.jp
になります。

Almail では「ツール→オプション」で設定画面を開き、設定します。設定 例は次の通りです。

電子メール作成上の注意点

署名の設定 標準的な設定ではメールの最後に下のようなフッタ(俗に署名という)が 付きます。

----
Naoshi SAKAMOTO  sakamoto@c.dendai.ac.jp

これを無くすにはメール作成時に右上の「署名」という欄を「標準」から 「(無し)」に変える必要があります。

インターネットと漢字コード

インターネット(電子メール)で使用可能な文字はRFC1468 という文書により定められてます。 その規格の名前は ISO-2022-JP です。

この規格ができた後に、各メーカがパソコンで使用できる文字を追加してしまっ たため、ワープロなどパソコンの中では使用できても、電子メールでは使用で きない文字が次のようにいくつかあります。それぞれ示したような代わりの表 現を使用して下さい。 なお、最近は NTT Docomo がこの規格を無視してハートマークなどの絵文字を 追加しており、携帯電話とインターネット間の情報のやりとりに不都合さを生 じさせています。

漢字の半分の幅で表示されるカタカナ
漢字と同じ幅のカタカナを使用する。
丸つき数字
(1) など、数字と他の文字を組み合わせる。
漢字と同じ幅で表示されるローマ数字
I II III IV など英字の組合せで表現する。

したがってこの授業名は「コンピュータ基礎および演習 I」とローマ数字を英 字にして書く必要があります。

電子メールを使うにあたって

電子メールを使用するにあたって、もしも自分だったら受けとりたくない ようなメールを送らないよう、送る前に、受けとった人がどういう気持ちにな るか考えながら読み返して下さい。

特に次のようなことはやってはいけません。

  1. 法律に反すること。
    1. 他人のメールを勝手に転送すること
    2. 脅迫
    3. コンピュータウィルスの送信
  2. チェインメールの転送

    不特定の人へメールの転送をお願いする電子メールをチェインメール と言います。 配送先がねずみ算的に増えるため、内容に関らず、転送は禁止されています。 実際に、 AOL など多くのプロバイダなどでは、作成した人だけでなく送信し た全ての人が処分の対象になっています。

    過去、「反核運動」「献血のお願い」「ウィルス情報」などが行れました が、どれも多くの人に迷惑がかかりました。

    反核運動
    募集しているネットワークに世界中からアクセスがあったため、そのネッ トワークの機能が停止し、そのネットワークに接続している他の利用者がネッ トワークを利用できなくなった。
    献血のお願い
    既に手術も済み退院しているのに、入院していた病院に電話が殺到し、病 院事務に支障をきたした。
    ウィルス情報
    不特定の人に転送を勧めるようなウィルス情報は大抵はデマ。 有名なチェインメールに「Good Times」と呼ばれる「Subject が『○○○』と 書かれている電子メールはウィルスだ」という内容のものがある。(多くの異 種を生んだ)

    その他、「不幸の手紙」「幸福の手紙(ジョークが一杯書かれているメール)」 などがありますが、すべて転送をしてはいけません。

  3. 画像やワープロの原稿など巨大なサイズのメール(但し相手が受け取りを 許している場合を除く)

演習2-3

  1. 自分宛にメールを出しなさい
  2. 受けとったメールに返事を書いて送り、正しく再び受けとれることを確認 しなさい。

演習2-4

アドレス literacy@edu.net.c.dendai.ac.jp 宛に「Hello.」という内容の 電子メールを送り、返事をもらって下さい(かぎカッコはつけないで下さい)。

2-4. 授業用フォルダの作成

授業で使用するフォルダを作成します。 これは今後作成するファイルなどを入れておくものですが、詳しい説明は後ほ どします。

  1. スタートボタンを右クリックし、「エクスプローラ」を選ぶ。
  2. 左側の画面の「(C:)」を左クリック(1回だけ)
  3. 上のメニューバーから「ファイル」→「新規作成」→「フォルダ」を選ぶ。
  4. 右の画面に「新しいフォルダ」と文字が反転しているフォルダのアイコン が出現したら「work[Enter]」と打つ(かぎカッコは打たない、[Enter] は Enter キーの意味)。
  5. 作成された「work」というフォルダを右クリックし、「ショートカットの 作成」を選ぶ。
  6. 作成された「work のショートカット」を左ボタンで押し、押しながら左 画面の一番上の「デスクトップ」に重ねる(ドラッグする)。
  7. 右上の「X」印を左クリックしてエクスプローラを終了する。

この操作で c:\work というフォルダができ、デスクトップにショートカット が作られます。

2-5. OpenOffice の準備

OpenOffice は Microsoft Office に似せて作られた自由なソフトウェア(フリーソフト)です。 インストールはソフトウェアのページを参照して下さい。

初回一回のみの設定

  1. 「ツール→オプション」を選びます。
  2. Openoffice の設定画面 「言語設定」左側のマークをクリックして 「-」にし、言語を選びます。
  3. 「国または地域のロケール設定」を「日本語」に設定し、「OK」を押します。

2-6. 表計算

コンピュータのプログラムは、入力、処理、出力の部分に分けることができま す。プログラム言語を使って計算をさせるには、入力、処理、出力の全てのプ ログラムを書く必要があります。簡単な計算をさせる時にもです。一方、表計 算ソフトは、簡単な計算を簡単に行うため、次のような工夫がされています。 (1)セルと呼ばれるますにデータを入力し、計算式や結果をもセルに入れるこ とにより、入力、出力のプログラミングの手間を省き、(2)処理に必要な情報 を視覚化し、(3)二次元までのデータの処理に特化することにより、基本的な 情報処理を簡単な操作で可能にします。さらにリレーショナルデータベースは 表の集まりによって作られていることもあり、表計算ソフトでも簡易データベー ス機能が実現されています。 このように表計算ソフトは次のような処理に向いています。

但し、複雑な情報処理はしないように設計されてますので、 (1)1000 件を越えるような情報の操作や、(2)状態を遷移しながら動作するよ うなプログラム、(3)入力や出力のデザインを変えるようなことはしない方が 良いです(できないわけではありません)。

画面はセルと言われる長方形の記憶領域が表の形に集まっていて、 ここにデータや式を入れて、計算するようになっています。

カーソルはセルを囲むような太線の長方形です。 目的のセルを左クリックするとそこにカーソルが移動します。 また、矢印キーでも移動できます。

カーソルにより選択されているセルの内容は数式入力ボックス(Input Line)に 表示されます。

入力

セルには、数字、文字列、日付、式などを入れることができます。 入力の際、矢印キーは修正には使えないことに注意して下さい。矢印キーを押 すと入力が確定し、矢印の方向へカーソルが移動します。 セルの内容の修正には「F2」キーを押すか、数式入力ボックスをクリックして 下さい。 数式入力ボックス中ではカーソルキーが使用できます。修正が終ったら Enter を 押して下さい。 セルの内容の削除は Delete キーを使います。 シート全体の消去は「Edit→Delete Sheet」とします。

数字の入力
数字をそのまま入力します。
文字列の入力
シングルクォーテーションマーク「'」を入力してから文字列を入力しま す。シングルクォーテーションマークを入力しなくても大丈夫な場合もありま す。
日付
「年/月/日」の組合せで入力します。
イコール「=」を入力してから数式を入力します。足し算は +、引き算は -、かけ算は *、割算は / で表します。関数を使う時は丸かっこ「()」を使い ます。

演習2-5

次のようにセルに値を入れなさい。

ABCDE
1123あいうえお2005/4/18=1+1=SIN(PI()/2)

なお、日付は入力した通りには表示されず、特定の書式で表示されます。表示 の書式を変更するには変更したいセルを左クリックした後、「セルの書式設定」 を選んで書式を変更して下さい。 また、式は、入力すると入力したものではなく計算結果が表示されます。

セルの参照(1)

式の中にセルの名前を入れることができます。 セルの名前は行と列の名前の組合せで表します。 例えば、上の演習問題の「123」 の入っているセルの名前は A1 と呼ぶことができます。 式の中で、セルに入っている内容をセルの名前で参照できます。 なお、セルの名前の入力は、そのまま英字と数字の組合せでも入力できますが、 マウスのクリックやカーソルの移動+Enter でも入力できます。 このように特定のセルの値をセルの名前で指すことを「参照」と 呼ぶことにします。 参照を使うと、プログラミング言語で良く使われる変数と同じ効 果が得られます。

演習2-6

一次方程式の解は次のようにすると求まります。







ax+b

=

0




(a0)







x

=

-ba






これを計算させましょう。

ABC
1'a'b'ax+b=0 の解
21020=-B2/A2

このように表を作ると解が求まります。 10 や 20 という数字を他の値に変えてみましょう。 数字を変更した瞬間に再計算が行われ、瞬時に解が求まります。

では次の一次方程式をこの表を使って解きなさい。

  1. 3x-6=0
  2. 2x+5=0
  3. -x+2=0

演習2-7

二元一次連立方程式を解くシートを作りなさい。

{ ax + by = e ( ad- bc0 ) cx + dy = f
ABCD
1'a'b'e'x
2123?
3'c'd'f'y
4456?

シートを作成した後、以下の連立方程式を表計算ソフトを使って求めなさい

  1. { 2x + 3y = 8 3x - y = 3
  2. { 4x - 2y = 8 x + y = -3
  3. { x - 3y = -2 3x + 2y = 5
ヒント

この式を x=, y= という形にし、それぞれの計算式をセルに入れなさい。

領域

指定

セル上で次のことをすると領域を反転(指定)することができます。

  1. ポインターをドラッグする。
  2. Shift を押しながらカーソルキーを動かす。

又、式の中で「左上のセルの名前:右下のセルの名前」とすることでも領域を 指定できます。

領域の選択はいろいろな用途に使えます。

  1. 削除、コピー、貼り付けなどの Windows で良く使われる編集機能
  2. 領域のふちをドラッグ & ドロップすると、領域の移動ができる。
  3. 領域のふちを Ctrl キーを押したままドラッグ & ドロップすると、 領域のコピーができる。
  4. 領域を指定してから入力を行うと、 Enter キーを押すたびにカーソルが 領域内に収まるように動く。

関数

領域を引数とする関数があります。 領域を関数の引数として指定する場合、長方形の領域のうち「左上のセル名: 右下のセル名」という形で指定します。 もちろん、上記のようにマウスのドラッグや、カーソルキーの移動でも指定で きます。

以下は領域を引数とする関数の例です。

SUM(X)
領域 X 内の数を合計を求める。
AVERAGE(X)
領域 X 内の数の平均を求める。
STDEV(X)
領域 X 内の数の標準偏差を求める。
COUNT(X)
領域 X 内でデータの入っているセルの数を求める。
MAX(X)
領域 X 内の数の最大値を求める。
MIN(X)
領域 X 内の数の最小値を求める。
RANK(X;Y;Z)
領域 Y の中で X の順位を返す。Z=0 なら大きい順、Z=1 なら小さい順。
LARGE(X;Y)
領域 X 内の数で Y 番目に大きい値を求める。

演習2-8

次の表を作り、データの合計を求めなさい。

ABCDEF
113825=SUM(A1:E1)

演習2-9

上記の演習2-8の表に対して、平均値を求めなさい。

ハンドルと参照

参照のコピー

次の表を考えます。

ABCD
11020=A1?
23040??

ここで、 C1 のセルを D2 にコピーすると D2 にはどんな内容が入るのでしょ うか? 実は、この時、D2 には「=A1」は入らず、「=B2」が入ります。 右に一つ、下に一つ移動すると、A が B にずれ、 1 が 2 にずれます。コピー のこのような性質を使うと、表を作る時便利です。

さらに、ハンドルを使用するとコピーが簡単に行えます。 コピー元にカーソルを合わせ、ハンドルをドラッグするとドラッグした範囲に コピーが行われます。 また、横に複数の範囲を選択してからハンドルを縦にドラッグすると、複数の 範囲をそのまま縦方向にコピーできます。

演習2-10

ハンドルを使って次の表を完成させなさい。

ABCDE
1'X'Y'X^2'X*Y
23040=B2*B2=B2*C2
35060=B3*B3=B3*C3
47080=B4*B4=B4*C4
590100=B5*B5=B5*C5
6'合計=SUM(B2:B5)=SUM(C2:C5)=SUM(D2:D5)=SUM(E2:E5)

ヒント

  1. 「X」,「Y」,「X^2」,「X*Y」,「合計」などはそのまま入力する。各 X, Y の値も入力する。
  2. D2, E2 は入力する。そして、 D2, E2 を選択し、ハンドルを 5 行目まで 引っ張る
  3. B6 を入力したあと、 B6 を選択し、ハンドルを E 列目まで引っ張る

宿題

東京電機大の工学部第一部大学入試センター試験利用試験で情報通信工学科は 次のような集計を行います。

国語
素点のまま。100点満点
数学
素点のまま。「数学I・数学A」「数学II・数学B」とも100点満点
理科
「総合理科」「物理IB」「化学IB」「生物IB」「地学IB」の中から高得点 のもの。素点100点満点を二倍する。
外国語
素点のまま。200点満点

次のような素点表があった時、各受験生に対して合計得点を求めなさい。

ABCDEFGHIJK
1受験番号国語数学I・A数学 II・B総合理科物理IB化学IB生物IB地学IB外国語得点
2C100150707563456500130?
3C10026562335471076098?
4C1003608093070800065?

2-7. 参考文献

  1. 浜野保樹「極端に短いインターネットの歴史」晶文社 (1997)
  2. Katie Hafner, Matthew Lyon.加地永都子, 道田豪 訳「インターネッ トの起源」ASCII(2000)

坂本直志 <sakamoto@c.dendai.ac.jp>
東京電機大学工学部情報通信工学科