第 3 回 ネットワーク

本日の内容


このドキュメントは http://edu.net.c.dendai.ac.jp/ 上で公開されています。

3-1. フリーソフトウェア、オープンソース、シェアウェア

フリーソフトウェア

著作権法の立場では、ソフトウェアは著作物であり、財産として認められてい ます。 しかし、リチャードストールマンはこれに異論を唱え、フリーソフトウェアファンデー ション(FSF)という協会を発足させ、フリーソフトという、ソフト ウェアに関する新しい権利のあり方を提言しました。

フリーソフトウェアの「フリー」は無料ではなく自由という意味です。 彼は、ソフトウェアを著作物ではなく、学術結果のように取り扱おうと提案し ました。

  1. 成果物は人類すべてで共有する
  2. 成果物に関する情報はすべて公開する(ソフトウェアではソースコード)
  3. 成果物を利用、改良した時は、その情報をすべて公開する(改造は自由だ が、改造してできたもののソースコードはすべて公開する)
  4. 成果物に関しては何も保証しない。

フリーソフトウェアでは、著作権は次のように主張されてます。

  1. コピーを禁じてはいけない。すきなだけコピーして良い。(copyleft)
  2. 著作権項目などを改変してはいけない。
  3. このソフトウェアを改造、利用した場合は、ソースコードを公開しなけれ ばならない。

フリーソフトウェアには、次のような利点があります。

  1. 複数の OS で利用することが容易である。
  2. OS などがバージョンアップしても対応できるので、長期間使用できる。
  3. 不具合が直るのが早い
  4. (ソースを読むことでプログラミングの勉強になる)

一方、次のような欠点もあります。

  1. 質の低いものも多い。
  2. 初心者を想定してないものが多く、むしろ慣れると使いやすくなるように 設定されているものが多い。使いこなすのに練習が必要。
  3. インストールに手間がかかる。

オープンソース

オープンソースはソースコードが公開されているソフトウェアです。 但し、フリーソフトではないので、さまざまな権利関係が著作者と発生します。 多くは二次配布を禁止したりしてます。 有名なオープンソースとしては、有名市販ソフトである Autocad の互換ソフ ト Intelicad などがあります。

シェアウェア

シェアウェアは販売形態が市販ソフトと異なる有料ソフトです。 一定期間無料で使用できますが、それ以上使用する場合は送金をするという販 売方式をとります。 シェアウェアで有名なのは Windows 用のエディタ「秀丸」などがあります。

無料ソフト

無料ソフトは企業戦略などの理由により、無料で使用できるソフト ウェアです。有名なのは Netscape Communicator や Adobe Acrobat Reader などです。

3-2. インターネットの仕組み

インターネットはアメリカ国防省が核戦争に耐えられるコンピュータシステム というコンセプトで開発したネットワークです。 他のネットワークと比較して、次のような特徴があります。

  1. コンピュータとコンピュータの通信を想定している。
  2. ネットワーク同士を接続することが設計に盛り込まれている
  3. ネットワークの媒体を特に問わない(伝書鳩でも可能?! → RFC1149)。 従って、ネットワーク技術が進歩しても存続可能。
  4. 途中の装置が故障した時、バックアップ回線に切替えるなど、ネットワー ク管理も自律的に行う。

IP

インターネットの通信ではインターネットプロトコル(IP)が使用さ れます。 プロトコルとは通信のやり方の規定です。 現在広く使われているのは IP ver.4 です。現在徐々に使われ始めているのが IP ver.6 です。

インターネットでは各ホストやネットワークに対してIP アドレスと いうアドレスを割り当てます。 IP アドレスは 0 から 255 までの数の四つの組で表し、ネットワークアドレ スと、ホストアドレスの組になってます。 IP アドレスは各コンピュータでそれぞれ別々のアドレスがつかなければなり ません。そのため、 IP アドレスは世界的な組織で割り当ての調整が行われて います。 東京電機大学工学部のネットワークアドレスは 133.20 になります。東京電機 大学工学部のコンピュータはすべて 133.20.x.y という形式の IP アドレスが 割り当てられてます。

特定のホストの IP アドレスを調べるのは

nslookup ホスト名
です。

インターネットではパケット通信という仕組みで、通信が行われま す。大きなデータもある決まった長さのデータに区切られ、それぞれバラバラ にして送られます。 バラバラにして送ることにより、他の通信と公平に通信が行われ、また、途中 で通信エラーが発生した時も、再送の量を減らすことができます。








インターネットでは、コンピュータによる管理するための仕組みがいくつか用 意されています。

ping ホスト名
は特定のホストと通信が可能かどうかを、実際に パケットを送って検査するコマンドです。 これは同時にそのホストまでの通信にかかる時間も測定できます。

インターネットは複数のネットワークを接続できます。 ネットワーク同士を接続する装置をルータとかゲートウェイ などと呼びます。 特定のホストまで、どのようなルータを経由するかを調べるコマンドは

tracert ホスト名
です(UNIX 系ではtraceroute ホスト名)。

演習3-1

  1. 自分のマシンに割り当てられた IP アドレスを調べなさい。 (ipconfig(UNIX 系ではifconfig)
  2. www.dendai.ac.jp などのホストの IP アドレスを調べなさい。
  3. www.dendai.ac.jp まで通信が可能かどうか調べなさい。 また通信がどれくらいの時間で可能かも調べなさい。
  4. www.dendai.ac.jp などのホストまで、どんなルータを経由しているか調 べなさい。

WWW の仕組み

WWW の構想は、すでに 50 年以上前からありましたが、インターネット上で動 いたのは 1989 年のことで、ヨーロッパの CERN(欧州素粒子物理学研究所) の Tim Berners-Lee 氏が開発しました。 目的はお互いの論文を共有できるシステムを作ることでした。 作られた WWW というシステムは、文書から他の文書へリンクを張ることがで きるというものでした。

その後、 1993 年にアメリカイリノイ大学の NCSA(National Center for Supercomputing Applications)にいた大学生 Mark Andreessen 氏は CERN で 作られた WWW に対して、画像も表示できる「Mosaic ブラウザ」を作り、爆発 的な流行が始まりました。

Mark Andreessen 氏は元 Sylicon Graphics 社会長の Jim Clark 氏と共に Netscape 社を作り、「Netscape Navigator(Mozilla)」を発表しました。一方、 マイクロソフト社は Mosaic の権利を手に入れ Internet Explorer を Windows に組み込みました。

WWW は次の 3 つの技術により実現されてます。

  1. URI(Uniform Resource Identifier)により、世界中の情報を一 元化した方法により名前で指し示すことができる(WWW では特に URL(Uniform Resource Locator) とも言う)。
  2. HTML(HyperText Markup Language)により、文書の記述のし方が決められ ている。
  3. HTTP(HyperText Transfer Protocol)により、文書の通信のし方が決めら れている。

HTTP では次のような単純な仕組みで情報をやりとりします。

  1. ブラウザはサーバに「GET 情報の所在地」というメッセージを送る。
  2. サーバは要求された情報を送り返す。

HTML については次回御説明します。

演習3-2

HTTP を実際に使って WWW サーバから情報をとりだそう。

  1. 次のコマンドを打ち、WWW サーバと接続する(80は HTTP のプロ トコル番号)。
    telnet edu.net.c.dendai.ac.jp 80
    
  2. HTTP の GET コマンドを次のように打つ(大文字小文字に注意)。
    GET /index.html HTTP/1.0
    
  3. 「enter」キーを二回押すと http://edu.net.c.dendai.ac.jp/index.html の情報が HTML の形式で得られる。

3-3. 電子メールの仕組み

電子メールのやりとりは、 SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)というプロ トコルにより行われます。 SMTP により電子メールをやりとりするソフトウェ アをSMTP サーバと言います。

一方、一般のパソコン OS(特に Windows 系)は SMTP サーバを持ってないため、 電子メールのやりとりを行うことができません(使用許諾契約によりサーバ機 能は著しく制限されている)。 電子メールの送信は、どこかの SMTP サーバに頼んで転送してもらうのが一般 的です。 一方、電子メールの受信は、どこかの SMTP サーバに電子メールを受けとって もらい、必要な時にそこから電子メールを受けとるのが一般的です。 受信してある電子メールを読み込むには POP3 というプロトコルが 使用されます。

3-4. 電子メールの設定

マイクロソフトの製品や、Netscape のメールソフトは、HTML メールを表示で きますが、これはウィルスに感染する可能性が高いです。 この授業ではウィルス対策として、 HTML メールを表示しない Almail を使用 します。Almail はシェアウェアですが、教育機関では無料で使用できます。

なお、従来から別のソフトウェアで電子メールのやりとりをしていて、他のソ フトウェアに移行が難しく、また、セキュリティ対策が万全である場合は Almail を使用しなくて構いません。

電子メールの設定項目には次の項目があります。

ユーザ名
メールサーバを利用する際のユーザ名です。本学のメディアセンターを利 用する場合は学籍番号(英字は小文字使用)になります。
パスワード
メールサーバを利用する際のパスワードです。先日お配りしたパスワード になります。パスワードを記録できるメールソフトもありますが、セキュリティ の観点からは、記録せず毎回入力した方が良いでしょう。
メールアドレス
あなたのメールアドレスを記入します。例えば学籍番号が 02kc999 なら ばメールアドレスは
   02kc999@ed.cck.dendai.ac.jp
になります。
フルネーム
自分自身の名前を入れます。歴史的な経緯などから、日本語を入れない方 が良い場合があります。
POP3サーバ名
POP3サーバの名前を記入します。総合メディアセンターの POP3 サーバ名 は、
cckedpo.cck.dendai.ac.jp
になります。
SMTPサーバ名
SMTPサーバの名前を記入します。総合メディアセンターの SMTP サーバ名 は、
cckedpo.cck.dendai.ac.jp
になります。

Almail では「ツール→オプション」で設定画面を開き、設定します。設定 例は次の通りです。

演習3-3

アドレス literacy@edu.net.c.dendai.ac.jp 宛に「Hello.」という内容の 電子メールを送り、返事をもらって下さい。

3-5. 電子メールを使うにあたって

電子メールを使用するにあたって、もしも自分だったら受けとりたくない ようなメールを送らないよう、送る前に、受けとった人がどういう気持ちにな るか考えながら読み返して下さい。

特に次のようなことはやってはいけません。

  1. 法律に反すること。
    1. 他人のメールを勝手に転送すること
    2. 強迫
    3. コンピュータウィルスの送信
  2. チェインメールの転送

    不特定の人へメールの転送をお願いする電子メールをチェインメール と言います。 配送先がねずみ算的に増えるため、内容に関らず、転送は禁止されています。 実際に、 AOL など多くのプロバイダなどでは、作成した人だけでなく送信し た全ての人が処分の対象になっています。

    過去、「反核運動」「献血のお願い」「ウィルス情報」などが行れました が、どれも多くの人に迷惑がかかりました。

    反核運動
    募集しているネットワークに世界中からアクセスがあったため、そのネッ トワークの機能が停止し、そのネットワークに接続している他の利用者がネッ トワークを利用できなくなった。
    献血のお願い
    既に手術も済み退院しているのに、入院していた病院に電話が殺到し、病 院事務に支障をきたした。
    ウィルス情報
    不特定の人に転送を勧めるようなウィルス情報は大抵はデマ。 有名なチェインメールに「Good Times」と呼ばれる「Subject が『○○○』と 書かれている電子メールはウィルスだ」という内容のものがある。(多くの異 種を生んだ)

    その他、「不幸の手紙」「幸福の手紙(ジョークが一杯書かれているメール)」 などがありますが、すべて転送をしてはいけません。

  3. 画像やワープロの原稿など巨大なサイズのメール

3-6. セキュリティ

セキュリティとは

AUP(Acceptable Users' Policy)
利用者が許容できる利用条件
  1. 自分が使用したい時に利用できる。
  2. 自分の情報を保持でき、他人が自分の情報の削除や改変ができないこと。
  3. 自分の使用権限や情報を他人が利用しないこと。
セキュリティ
AUP が守られている状態

セキュリティへの攻撃

  1. コンピュータを使用不能にする。
  2. 情報の破壊、改竄。
  3. パスワード解析、コンピュータの乗っとり、情報漏洩。

事例

医療データ改竄による殺人事件
1995年オーストラリアにおいて、病院職員が自己の勤務する病院のコンピュー タにアクセスし、患者に投与すべき医薬に関するデータを改竄。看護師が改竄 されたデータ通りに薬を与えたため患者が死亡。
社会安全研究財団「情報セキュリティビジョン策定委員会報告書」より
預金額の改竄による不正送金
1995年ロシアのクラッカーによって、米国の某銀行が、 1000万ドルもの不正 送金をされた。
山田英之「セキュリティの基礎」日経オープンシステム1998年4月号 p.258

攻撃方法の分類

直接的攻撃
  1. 不正なコマンドを利用することによる権限の剥奪
  2. ネットワークやコンピュータを流れるデータを監視してパスワードを盗む
  3. 暗号化されたパスワードを解析する。
  4. 相手のコンピュータに対応不能なほどの大量のアクセスを発生させ、使用 不能に陥らせる(フラッディング、DOS(Denial of Service)、 DDOS(Distributed DOS)。
間接的攻撃
  1. コンピュータウィルスやワームをばらまく(自動的に感染するもの)。
  2. トロイの木馬をばらまく(罠にはまった人間が被害を発生させるもの)。

身近なセキュリティ対策

セキュリティを守るために、次のようなことをすると良いです。 但し、利便性は大きく失われることがありますので、状況を判断できるように なったら自己判断でセキュリティを甘くする機能を使う必要が出てくるかも知 れません。

  1. 出処が不明なソフトウェアを実行しない。
  2. フロッピーディスクでのファイルのやりとりをなるべくしない。
  3. 電子メールで添付ファイルを開かない。
  4. Java, JavaScript など他人の作成したソフトウェアを自動的に実行しな いように設定する。

    設定例

    Java Javascript を off に

    但し、Netscape Navigator 4 系は JavaScript を切るとスタイルシートも 無効になってしまう

  5. WWW のサーバがブラウザに情報を送ったり、抜き取ったりする cookie を 無効にする。

3-7. ネットワークで使用できるファイル形式

皆さんの使用しているコンピュータと、インターネットで接続している他のコ ンピュータが全く同じと言うことはまずありません。 そのため、情報をやりとりするためにはある種のルールが必要です。 ここでは、情報を送る際に、使用すべきファイルの種類について説明します。

自分が情報を受けとる際に望ましいと思える条件を列挙しました。

  1. 自分が利用可能であること
  2. 自分が苦労しなくて良いこと
  3. 費用が安いこと

これは他人にも成り立つことですので、情報を送る際には相手の立場で上記の ことに注意する必要があります。 これを満たすための技術的な要件を次にまとめました。

  1. 相手が絶対使用できる形式であること。つまり、自明な形式であるか、形 式が公開されていること。
  2. 形式の解読に有料のソフトウェアの購入が不要であること。 通常のコンピュータで使用可能なソフトウェア、あるいは入手が容易なフリー ソフトなどで解読ができること。
  3. 通信量が少ないこと。通信量が少なくなる形式を選ぶか、適切な情報圧縮 をすること。

文書を送るには

文書の基本はテキストファイルです。 電子メールはテキストファイルを送るシステムですので、テキストファイルは そのまま送るようにして下さい。

添付ファイルは推奨できません。 理由の第一は、テキストファイルを添付ファイルで送るのは、葉書を封筒で送 るようなものだからです。 第二は、コンピュータの日本語処理と関係あります。 添付ファイルにするとコンピュータ独自の漢字コードのまま送られてしまうの ですが、マイクロソフトウィンドウズ独自の漢字コードには問題があります。 マイクロソフトウィンドウズは、歴史的経緯から「マイクロソフト漢字コード (Shift_JIS)」と呼ばれる漢字コードを使用したり、ユニコードという漢字コー ドを使用したりしています。 マイクロソフト漢字コードは、英語+日本語という環境では効率面で非常に優 れてますが、国際的な規格のインターネット上のやりとりには不向きです。 一方、ユニコードは国際的な規格として定められましたが、マイクロソフトは 国際規格とは良く似た別の形式のコード体系を採用し「ユニコード」と呼んで ます。マイクロソフト独自のユニコードは文字化けを起こします。

インターネットで日本語を送受する際は、通常 iso-2022-jp という規格を使 用します。

清書文書を送りたい

清書文書の形式として HTML, PDF, LaTeX を紹介します。

マイクロソフトワードの添付ファイルは、形式が公開されてなく、解読に 有料のソフトウェアを購入する必要があり、ファイルの容量が大きくなり、さ らに文書ファイルのうちウィルスの感染の可能性がある形式なのでお勧めしま せん。

HTML

インターネット上で清書文書でもっとも広く使われているのは HTML です。 HTML は規格が公表されており、多くの人が表示可能です。 テキストファイルにタグと呼ばれる記号列を埋め込んで、文書の構造を与えま す。

但し、HTML にも欠点があります。 HTML には「ページの大きさ」の概念がありませんし、どのように表示 するかは「ブラウザ」などの機能にもよります。従って、印刷を前提とした清 書には不向きです。 また、 Javascript というセキュリティの弱い拡張機能を使用すると、ウィル スに感染する可能性があります。

印刷を前提とした清書系で、先ほど提案した条件を満たすものとして二つの道 があります。

PDF

Adobe 社が開発した形式で、多くの OS で表示できるソフトウェア(Acrobat Reader)を Adobe 社が無料ソフトとして配布しています。 PDF は、基本的には Adobe 社が昔開発したプリンタ制御言語 Postscript に 圧縮機能を付け加えたもので、表示は美しいがファイル容量は小さいです。

PDF 形式のファイルを作るには、通常は Adobe Acrobat を購入しなくてはな りません。但し、フリーソフトだけで作成する方法もあります。 また、フォント指定に問題があるため、完全にどんなコンピュータでも表示が できるわけではありません。さらに、受信した相手は送った文書を修正できま せん。

LaTeX

計算機学者 Knuth と Lamport により開発された、論文プロセッサです。 学術論文を書くために作られたシステムで、テキストファイルを HTML 同様マー クアップして記述します。 数式の表現力が豊かで、また、カーニングや索引自動作成機能があります。 そのため、論文の清書形式として多くの学会で採用されています。 フリーソフトとして入手可能です。

欠点としては、とっつきにくく、習得に時間がかかるのと、そのため、あまり 普及していない点です。

表計算、データベースのデータ

表計算ソフトは各社で独自の機能が豊富なため、独自機能を多く使った表は、 まず交換できません。 基本的なデータをやりとりするには、 CSV(comma separated valuable) とい う、「,(コンマ)」で各データを区切ったテキストファイル形式を利用するの が一般的です。 ほとんどの表計算、データベースのシステムでは CSV の出力が可能です。

データベースの場合、SQL 言語によるバックアップができれば、テキストファ イルながらほとんど情報を失わずにやりとりが可能になります。

静止画像を送りたい

写真など

写真を送るには JPEG 形式が適しています。 これは非可逆圧縮という圧縮技術を用いているため、画質を落してファイル容 量を小さくできます。画質の落ちた画像を元に戻すことはできません。 一般に JPEG 画像は非常に良く圧縮されているため、さらに別の圧縮ソフトで 圧縮しようとしても圧縮できません。

図版など

線画などの画質がシャープな画像は PNG 形式が向いています。 PNG 形式は比較的新しい形式なので古いソフトウェアでは対応していないもの もあります。

従来、線画などの画像には GIF 形式が用いられていましたが、これは UNISYS 社の持っている特許に抵触します。 GIF 形式を利用して画像を公開すると、 無料サイトで 60万円、営利サイトで 4 億円もの請求が来た例があるそうです。

動画

動画でポピュラーな形式は AVI, MPEG1, MPEG4 があります。 MPEG 4 はまだそれほど広まってませんが、このなかではもっとも容量が小さ くなる形式ですので、将来性があります。

坂本直志 <sakamoto@c.dendai.ac.jp>
東京電機大学工学部情報通信工学科